失業中でアル中と戦う乾は妻の悠子と別居状態だった。悠子は沼津の実家で息子と暮らしており、乾も一緒に暮らすよう誘うが、乾は気乗りしなかった。ハローワークの帰り道、乾は偶然昔の同僚の尚子と再会した。尚子は恋人の新志と暮らしていた。その夜、乾と悠子は愛しあった。翌朝、悠子はキッチンで乾の隠し持っていた焼酎を見つける。悠子は失望したように乾を責めた。乾は悠子から離婚届を渡され、家財道具も知らない間に運び出されてしまった。彼はついに住む家も失った。ダンボールのソリで河原の堤防を滑り降りていた乾は、ふと気を失い坂を転げ落ちた。そこへスクーターに乗った尚子が偶然通りかかった。近くにいた知人の東海林が尚子とともに乾を病院へ連れていった。栄養失調だった。やがて乾は新しい仕事を見つけ、人生の再出発を試みるが…。
